第三十二回文学フリマ東京(2021/5/16)、第六回文学フリマ岩手(2021/6/20)で予定している創作官能小説より、1章ラスト部分の抜粋です。

崖上の伝統校、その閉鎖された木造の旧校舎で放課後ごとに繰り広げられる饗宴の物語。
黴と埃と夕陽の図書室で、美少女が主人公、優等生、そして教師を堕とし、支配していく――


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どくっ、どくっ……と幾度も由のペニスは脈を打ち続け、その都度に千裕の顔に白い液体が降り注いだ。
いったい、何度吐き出したのだろう。自分でも信じられない程の量の精液が、千裕の顔を覆った。
柊子は後ろから頭を引っ張り、顔を上げさせた。
額から眼のくぼみ、そして鼻の上に溜まった白い精液が頬に流れる。
潤んだ眼から涙が今にも溢れそうに見えたが、その焦点を失った眼は、怯えているというよりも、まるで――惚けているかのようだった。
柊子はくすくすと笑いながら顔を千裕の頬に寄せ、
「あーあ、汚されちゃった」
と千裕の耳元で悪戯っぽく囁いた。
「あ…ああ…」
千裕の身体ががくがくと震える。
「ね、やっぱり」柊子がこちらを見て勝ち誇ったように言った。
「この娘、変態だよ」
「……っ!」その言葉で、千裕が決壊した。
嗚咽と共に、どくどくと涙が流れ出す。
その千裕の虚ろな泣き顔と、淫猥な笑みを浮かべた柊子の顔が目の前に並ぶのを見て、由は股間にどくん、と再び熱いパルスが疾るのを感じた。
たった今、放出したばかりだというのに。
目ざとくも、その復活を柊子は見逃さなかった。
「ふーん。あなたも大概…」
小馬鹿にするように、由の逸物に一瞥をくれる。
「ま、そうじゃないかと思ってたけど」
その含みをもたせた言い方が、由の羞恥心を煽った。
こいつ、自分の何を見透かしてるというんだ――
そんな由のことなどおかまいなしに、柊子は続けた。
「さ、それじゃさっさとやっちゃおうか」
「え?」
「あなたもしんどいでしょ。そのままじゃ」
そう言って柊子は後ろから抱きかかえるようにして千裕の体を起こし、仰向けになった由の両足を立で膝でまたがせた。
千裕は意識を失ったかのように、柊子のなすがままだった。
「ちょ、ちょっと待てよ。だって桜木さん…」
初めてなんじゃ、と言いかけて、千裕の方を見た。
千裕はうつむいたまま、何の言葉も耳に入らないかのように弛緩したままだった。
「何よ、この子じゃご不満?」柊子は千裕の髪をつかみ、無理やり由の方へ顔を向けさせた。
「簡単に堕ちるのに。もったいない」
目が合ってしまった。
千裕が柊子の意図を理解していることが、はっきりとわかった。
それまで茫然自失で蒼ざめていた千裕の顔が、みるみる紅潮していく。
「どうせ柴崎君だって初めてでしょ、ちょうどいいじゃない」
「!…いや、だって…駄目だよ、泣いてるじゃないか、桜木さん」
少なくとも、嘘ではなかった。「こんなの、酷すぎるよ。いくらなんでもかわいそうだ」
柊子は、なかば嘲笑まじりのあきれ顔で
「あーあ、これだから。わかってないなあ、もう」
何をわかれというのだ。由は柊子の傲慢さに、腹立たしさを憶えた。
「いいよもう。それなら私が貰っちゃうから。ほら」
柊子は千裕の背中をどん、と押し、上体を崩した千裕は慌てて両手を由の顔の両脇についた。
押し倒された由の上で、千裕が四つんばいの格好になった。涙と精液でぐちゃぐちゃになった千裕の顔が、突然目の前数十センチのところに迫る。由は息を呑んだ。
千裕の表情が再びこわばった――が、それも一瞬だった。
「…っ!」
「うわぁ、こんなに濡らしちゃって。やらしいんだ」
千裕のお尻の方で、柊子がつぶやく。
柊子が千裕の下着を下ろして、後ろから秘所を眺めていた。
「なんで?おちんちん舐めて、顔にぶっかけられて、どうしてこんなになる訳?それも処女が」
くちゃくちゃと音がする。千裕は幾度か声にならない声を上げた。
「普段からそんなことばっか考えてんだ。変態」
「そ…んな…いや…」
由の顔の真上で、千裕が必死に堪えている。
「嘘。いつもこんな風に自分でしてんでしょ」
左手で千裕の秘所をいじりながら、柊子は千裕の背中から覆いかぶさるようにして、右手で千裕の右胸をわしづかみにした。
指の間からはみ出した膨らみをぎゅっと締め付けるように力を込め、人差し指と中指で乳首をはさみ、スライドさせるようにこねる。
「…っ、はぁ…あっ…!」
苦悶の声と共に、千裕は顔を跳ね上げた。柊子はすかさずその顎を捕らえ、唇に二本の指をねじ込んだ。
「んっ…!」
「ほら、大声出さないの。人に見つかっちゃうでしょ」
まるで口を男のペニスが犯すかのように、指を出し入れする。千裕は嗚咽をあげながら、ただただ柊子のなすがままにされる他なかった。
「それとも、誰かに見られたいの?そういうの、好きそうだもんねえ」
千裕は必死に頭を振ろうとする。が、柊子の右手がそれを許さなかった。
「ほら、見てくれる人が目の前にいるでしょ。あんたのいく顔、見せてあげなさいよ」
口から指を引き抜き、後ろから千裕の頭を掴んで由の顔の前に押し戻した。
鼻先がこつんとぶつかり、同時に涙が由の顔に振ってこぼれた。
「いや…ぁ…」
柊子の左手の動きが速度を増したのがわかった。四つんばいの千裕の身体が、前後に激しく揺れる。
「あっ……あ、あああっ……!!」
由の顔の真上で、千裕が、追い詰められている。
見てはいけない。文字通り目の前でこんな酷いことが。そんな。
しかし……
「……っあぁっ!」
甲高い悲鳴と同時に、由の身体の上に千裕が崩れ落ちた。
むき出しの乳房が由の胸板に押し付けられ、右頬のすぐ真横で千裕が息を切らす。
由の屹立したペニスが、千裕のお尻にすっぽりと挟まる位置に収まった。
顔を傾け、そっと横を見る。
かろうじて焦点の合っているかように見える千裕の潤んだ眼と、視線が交差する。
無言のまま、どれだけの時間が経ったのかわからない。
突然、その沈黙に耐えかねたかのように、わずか数センチしかなかった唇の距離が縮まった。
どちらが先に近づけたのかは由にもわからない。しかし、唇が触れ合った瞬間、舌を割って入れてきたのは千裕の方だった。
由は面食らいながらも、千裕のキスに応えようと無我夢中で舌を吸った。
二人が言葉もなくただただお互いの舌を貪り続けるのを見下ろしながら、柊子は冷ややかに言った。
「だから言ったでしょ。簡単だって」


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全10章+αの予定です。